近代ヨーロッパで博物学者たちによって刊行された図鑑の図譜は、手彩色が施されたその美しい細密画ゆえに現代の空間を演出するインテリアアイテムとして蘇ります。 フランス王妃に仕えバラを集めた華麗図譜で有名なP=J・ルドゥーテ、その弟子のパンクラース・ベッサ、英国を代表するキューガーデンの植物誌「ボタニカル・マガジン」、今は無き幻のアイヒシュテットの庭園を描いたバシリウス・ベスラーなど、精選図譜を多数展示販売いたします。 普段博物館でしか見ることのできないボタニカルアート・コレクションを、ぜひご堪能ください。
植物を、植物的な正確さをもって描いたものをボタニカルアート(細密植物画)と呼んでいます。すなわちこれは、科学と芸術の幸福な出会いが生んだ「花の肖像画」であるともいうことができます。 ボタニカルアートは、現代のような写真技術のない時代に、おそらくは薬草を区別する必要から植物を正確に描くことに端を発しました。そして科学の発展とともに植物学の裏付けで描画もより正確になり、手法にすぐれた専門の画家たちも登場するようになります。また一方で、木版、銅版、石版など印刷技術の進歩に伴い大きな変化をとげていきました。
木版図譜から銅版、石版図譜へ