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LOGOS GALLERY
展示会内容 会場風景
印刷解体 -20世紀の印刷を支えてきたモノたち-
印刷解体 -20世紀の印刷を支えてきたモノたち-
会 場 LOGOS GALLERY ロゴスギャラリー 渋谷パルコ パート1 / B1
期 間 2004.09.11(sat)- 2004.09.29(wed)(会期中無休)
10:00am - 9:00pm(最終日は3:00pmにて閉店)
料 金 無料
お問合せ 03-3496-1287(ロゴスギャラリー)
展示会内容
印刷解体

日本の文字印刷を支えてきた「活版活字」、写植(写真植字)の「文字盤」を中心に、小口木版の商標版下、戦前戦後に発行された内外の印刷年鑑、印刷雑誌、紙見本帖、デッドストック紙、タイポグラフィー集、印刷見本など、印刷に関わるモノを広範に販売します。
あわせて活版印刷による名刺やポストカードのセミ・オーダーも承ります。

活版活字関系 
1. 某印刷会社の活字棚を会場に展示、かつて職人たちが活字を拾っていたように、文選箱にお求めになりたい文字を拾っていただきます。
2. 活版活字を組んだペーパーウェイト
3. 活版印刷組版の販売や「銀河鉄道の夜」の一部組版展示
4. 紙型、文選箱、仕切箱、インテル、罫線 ほかの販売

文字盤関系
1. 文字盤 メインプレート、サブプレート約200枚の販売
2. 文字盤で作った照明オブジェなど、セミ・オーダーによる販売
3. 写植機の部品(レンズ他)の販売
印刷解体
木版、活版、写植と、長い時間をかけて時代とともに変化してきた印刷技術は、いま、どんどん眼に見えないものへと置き換えられつつあり、それとともに、かつての印刷をさえてきたモノたちが、私たち多くの目に触れる機会もないまま、捨て去られようとしています。
例えば、なぜ活字は「拾う」と言われるのか、写植で組まれる文字とはどのようなかたちをとっていたものなのか、おそらく一般の人たちはほとんど知りません。デジタル情報のやりとりだけで、また大掛かりな機材の必要もなく、印刷物が生み出されてくる時代を迎えたいま、印刷には、過去のような「実体」のあるモノを使う必然性は失われつつあり、活版印刷は趣味的、贅沢なものとしてわずかに活路を見い出し、写植の文字盤に至っては次々に割られていると聞きます。
本展は、不思議な存在感をもって現在かろうじて存在している、かつて印刷を支えてきたモノたちを、捨て去られてしまう前に、いま一度改めて眺めてみようというものです。「印刷解体」といういささか刺激的なタイトルには、これまでの印刷過程が解体されつつあるいまという時代、そして印刷を構成していたモノを腑分け=解体し、ここに展示、販売するという、二重の意味を込めています。販売を通じてこそ、失われつつあるモノたちを一つでも多く、次の世代に手渡し、大切にしてもらえるのではないかと考えました。また、セミ・オーダーによる商品設定などを加えることで、かつての印刷のもつ、手仕事に似た魅力を体感・体験していただきたいと思います。
実際、一部の若いクリエーターやデザイナーの間では、すでに手描きのタイポグラフィーや活版による印刷が見直されつつあります。本展は、印刷をめぐるある時代の終局を、現在という時代の先端へと引き戻す意図をも込めたものでもあるのです。

(古書日月堂 佐藤真砂)

印刷解体
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