荘厳なバロック調の装飾に彩られた舞台でくりひろげられた饗宴の主人公エヴァの、幼年期から少女期にわたるオリジナルプリント30点とヴィンテージプリント、そのほか撮影に使われた装飾品などを展示販売する予定です。 |
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ごく自然なポーズでありながら、微かに漂う淫靡な匂い。日常とはかけ離れたシチュエーションで、見る者の想像力を刺激する麻薬めいた味わい、モデルたちの息づかいや香りまでがほのかに感じられる。
写真家イリナ・イオネスコの魅力の全てが凝縮され、結実した写真集「バロックのエロス」(1988年トレヴィル刊)。男女の性を超えて、人間の本能を揺さぶる扇情的な写真群は、究極のエロスといわれています。
そしてその中心となるモデルがイリナの娘エヴァでした。エヴァは非常に美しいブロンドの髪を持つ、少しふっくらした少女でした。決して美形ではないが、色香というのは必ずしも優れた容貌に備わるものではないということを教えてくれます。それはエヴァの少女の眼ではない、少し重そうなまぶたに深い二重、溌剌とした輝きとは違う瞳はいつでも退廃的で人々を吸い込んでいきます。
さらにイリナの作品はバロック絵画的な構成で、調度のセッティングが細やかなことはもとより、荒れた画質で現実的な生っぽさをぬぐい去っている。これこそイオネスコ調といえます。 |
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イリナはファインダーを通し自分自身を創るのか、あるいは自分の娘という意識に対して他者であり続けるエヴァの存在の不思議と魅力の再発見の機会を探り続けました。 |
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写真集出版 (2004年10月刊行)
『エヴァ』(エディショントレヴィル刊) |
6,300円 |
『R』(エディショントレヴィル刊) |
3,360円 |
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©Irina Ionesco / G.I.P.Tokyo |
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