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LOGOS GALLERY
展示会内容 会場風景
清川あさみ 「人魚姫」テキスタイル原画作品展
©Asami Kiyokawa/Risaki Suzuki/Little More 2007
どうしても、人間になりたい。
ああ、王子、わたしはあなたのそばにいたくて、声を捨ててしまったのです。

絵本出版記念 清川あさみ 「人魚姫」テキスタイル原画作品展

会 場 LOGOS GALLERY ロゴスギャラリー 渋谷パルコ パート1 / B1
期 間 2007.07.19 (thu) - 2007.07.31 (tue) ※会期中無休
10:00am - 9:00pm ※最終日は5:00pmにて終了
入場料 無料
お問合せ 03-3496-1287(ロゴスギャラリー)
■清川あさみサイン会
2007.07.28(土) 3:00pm〜
要整理券。LOGOS GALLERYにて絵本『人魚姫』お買いあげの方に整理券を差し上げます。(初日より)
展示会内容
19世紀デンマークの童話作家・詩人であるアンデルセン。
彼が残した童話の数々は、今なお定番として読みつがれつつも新鮮さを失わず、読む人々それぞれに深い印象を与えています。
そのアンデルセンの『人魚姫』を、金原瑞人が親しみやすく情感細やかな日本語に翻訳しました。そして清川あさみによる「絵」が物語りの生命を吹き込みます。
昨年、清川あさみの絵と金原瑞人の訳により珠玉の絵本としてよみがえりあたたかな旋風を巻き起こしたオスカー・ワイルド原作の絵本『幸せな王子』(2006年3月リトルモア刊)。そして2007年初夏、布やレース、糸やビーズなどを緻密に縫いこんだ清川あさみのきらめく「絵」と金原瑞人のみずみずしくてかろやかな訳が、ふるくて新しい物語を巡って再び出会いました。
清川あさみは、糸や布を使ったアート作品、衣装、空間、イラストレーションを創作し続ける作家として、そのオリジナルな 世界観が様々な分野から注目を集めています。 今回、6月に刊行された絵本『人魚姫』(リトルモア刊)出版を記念し、ロゴスギャラリーのなかに清川あさみのきらめく世界を、『人魚姫』を通してつくりあげます。
<展示内容>
絵本『人魚姫』の「絵」として制作された、清川あさみの布や糸、ビーズなどを用いたテキスタイル作品を16点展示。
<販売内容>
書籍  絵本『人魚姫』、絵本『幸せな王子』(既刊)
清川あさみオリジナルのグッズ(クリアバッグ・キャンドル・ハンカチ ほか)
絵本『人魚姫』
Asami Kiyokawa/Risaki Suzuki/Little More 2007
©Asami Kiyokawa/Risaki Suzuki
/Little More 2007
(リトルモア刊/発売:6月下旬/判型:B5横/頁数:104ページ/予価:2100円(税込))
絵:清川あさみ訳:金原瑞人/作品撮影:鈴木理策/アートディレクション:中島英樹/原作:アンデルセン
◇ストーリー◇
6人姉妹の末娘で、もの静かな人魚姫は、難破した船から人間の王子を救います。その王子に恋した人魚は人間になりたいがため、魔女のつくった薬を飲み、美しい声とひきかえに脚を得ることに。脚の痛みを耐えての軽やかなダンス。王子への限りない愛情のその先には……。

アンデルセンの『人魚姫』を、金原瑞人が、親しみやすく、そして情感細やかな日本語に翻訳しました。作品の撮影を手掛けたのは写真家・鈴木理策。その、時には細部にぐっと近寄り、時には布を見わたすような撮影により、作品の光の濃淡、ビーズのきらめき、糸の運び、布の感触があざやかに浮かび上がります。アートディレクションは『幸せな王子』と同じく中島英樹が担当。奇跡的な5つの才能が、1冊の絵本を紡ぎだしました。
清川あさみによる布やレース、糸やビーズなどを緻密に縫いこんだきらめく「絵」。前作「幸せな王子」での作品によって見るものを魅了した清川あさみのテキスタイル作品は、ますます緻密さと輝きを増し、人魚姫の潜む碧い海の中の息をのむような美しさ、人魚姫と王子の心のふるえを、丁寧に繊細に表現して、時には、人魚の感情がのりうつったかのような激しささえ垣間見せます。 レース、サテン、シルクなど多彩な生地を幾重にも重ねた布の上に、きらきらと光り輝くビーズやスパンコールは、ちょうど海中で陽光を浴びてきらめく宝石のよう。波が光を乱反射するさまはあたかも布に、みなもがひろがっているかのよう。そして、こまかく縫い込まれた人魚は布からすっくと立ち上がってくるよう。
王子、花火、舞踏会、魔女、人魚…清川あさみがほぼ丸一年を費やして、一針一針丁寧に縫い込んだテキスタイルは、「人魚姫」のストーリーからすくいあげたいくつもの場面に物語の生命を吹き込み、今にももう一つのおとぎ話を語り出しはじめます。 やわらかな光に満ちて碧く澄んだ海、人魚と王子との幸せなひととき、彼岸を思わせる空気の精の世界を、あたたかにつづり、わたしたちをやさしさでつつむ一方で、脚をつきさす痛みに耐えてダンスを舞う人魚の姿や、悲嘆にくれる心の動きまでを繊細に表現し、つきせぬ愛情の持つぬくもりと輝き、その一方での切なさ、悲痛とをともども感じさせます。 どの作品一枚一枚にもそれぞれ物語がおりこまれ、その布や糸のどの細部にも、清川あさみの針の運びが丁寧にしっかりと刻み込まれています。彼女の、人魚に対する、そしてわたしたち人間に対する深い愛情がにじみ出してくるかのようです。いくつものつよい想いの結晶は、わたしたちの感情をしずかに揺り動かします。
<プロフィール>
清川あさみ Asami Kiyokawa   http://www.asamikiyokawa.com
1979年生まれ。糸や布を使ったアート作品、衣装、空間、イラストレーションを創作し続ける作家として、そのオリジナルな世界観が様々な分野から注目されている。またCMなどの広告やCDジャケット等を数多く手がけるアートディレクターとしても活躍。主な仕事は、キリン「アルカリイオン水」や、SUZUKI「ラパン」のCMディレクション、雑誌での連載やページデザイン等多数。2002年 作品集「futo」(マドラ出版)、2006年には初の絵本「幸せな王子」(リトルモア)を出版。
清川あさみ
□ 主な仕事
・Cartier ディスプレイアート製作
・松坂屋「2006お歳暮、クリスマスアートキャンペーン」
・キリン「アルカリイオン水」CM、広告ディレクション
・SUZUKI「ラパン」CM、広告ディレクション
・アニメ版「Paradice Kiss」アートディレクション、スタイリング
・複合施設「cocoti」シンボルマークデザイン、広告アートディレクション
・サンリオ「2005年X’masキャンペーン」アートディレクション
・三井住友VISAカード「2007年カレンダー」アート製作
・美容室「LUXE」(表参道)、レストラン「kisala」(赤坂)アート製作
・「流行通信」”清川あさみの美女採集”連載
・「12星座の恋物語」(著:鏡リュウジ、角田光代/新潮社)装画
・「木村カエラ」「orange pekoe」CDアートディレクション

Asami Kiyokawa/Risaki Suzuki/Little More 2007
©Asami Kiyokawa/Risaki Suzuki/
Little More 2007
□ 出版物
2002 年 作品集「futo Kiyokawa Asami×Takimoto Mikiya×Morimoto Chie」 ( マドラ出版)
2006 年 絵本「幸せな王子」( リトルモア)

□ 展覧会
2001 年 個展「SAUCE」( ギャラリートラックス/ 山梨)、個展「evidence」(edit.for LuLu/ 東京)
2002 年 個展「couturet」(BEAMS T/ 東京)、作品展「futo」(gallery ROCKET/ 東京)
2003 年 作品展「futo」(Book cellar amus/ 大阪)、企画展「girls made」(gallery ROCKET/ 東京)
2004 年 企画展「Harajuku Collabo Apartment」( ラフォーレミュージアム原宿)、企画展「take art collection 2004」(spiral/ 東京) 作品展「COLOR FRAGMENTS」(LAPNET SHIP/ 東京+名古屋松坂屋)
2005 年 屋外イベント「六本木ヒルズ春祭り」にて空間インスタレーション、個展「COLOR ROOMS」( 大阪HEP HALL)
企画展「take art collection 2005」(spiral/ 東京)
2006 年 原画展「幸せな王子」(LOGOS GALLERY+リトルモアギャラリー)

□ 受賞歴
2004年  ベストデビュタント賞 映像・グラフィック部門受賞  経済産業省認可公益法人「(社)日本メンズファッション協会」主催

○金原瑞人プロフィール:  http://www.kanehara.jp
1954年岡山市生まれ。翻訳家・法政大学教授。エスニック文学、マイノリティ文学、児童文学などを講じる。訳書に『バーティミアス』『アイアンマン』 『ティモレオン』『青空のむこう』『ラスト・ドッグ』『ブラッカムの爆撃機』『グッド・オーメンズ』など。翻訳した作品は250点を超える。エッセイに『翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった』、編著書に『12歳からの読書案内』などがある。書評、評論も多数執筆。 

○鈴木理策プロフィール:
1963年和歌山県新宮市生まれ。87年東京綜合写真専門学校研究科卒業。85年よりグループ展に参加するなど活動を開始し、90年初個展。98年東京から故郷熊野への時間をまとめた写真集『KUMANO』を出版。写真集『PILES OF TIME』により第25回木村伊兵衛写真賞受賞。第22回東川賞受賞。画家セザンヌが描いたことで知られるサント=ヴィクトワール山、吉野桜、熊野などを主題に、写真と不可視性の関係を探究する作品を発表しつづけている。今年9月東京都写真美術館にて、個展「熊野、雪、桜」が開催される。
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