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LOGOS GALLERY
展示会内容 会場風景
2007.東京.町工場より −機械部品と工具の展示即売−
© 2007 PARCO CO., LTD. / 古書日月堂

2007.東京.町工場より −機械部品と工具の展示即売−

会 場 LOGOS GALLERY ロゴスギャラリー 渋谷パルコ パート1 / B1
期 間 2007.10.12 (fri) - 2007.10.22 (mon) ※会期中無休
10:00am - 9:00pm ※最終日は5:00pmにて終了
入場料 無料
お問合せ 03-3496-1287(ロゴスギャラリー)
企 画 ロゴスギャラリー + 日月堂

展示会内容

2007年6月、都内で半世紀にわたり同じ製品を作り続けてきた町工場が廃業しました。誰ひとりいなくなってしまった工場には、長い時間をかけて使い込まれた工具や、何に使われていたのかさえもはや分からない、しかしフォルムのとても美しい機械部品が、用途を失い、また、二度と熟練工の手に戻ることなく、時間が止まった廃墟のなかにただ放置されるに任されていました。

ここ数年、若い世代を中心にブームを見せている「廃墟」となった「工場」に眠っていた工具や機械部品は、多くの人から見れば廃品である一方、20世紀半ば以降、時にアートに転用されてきたものでもあります。

本企画展は、廃墟となった実在の都内の工場から、ステーショナリーとして、或いはアート作品の材料としてなど、自由な発想で再び活かせるような機械部品や工具などを、そのフォルムの美しさから厳選し、一般に向けて展示販売する初の試みです。

本展企画者であるパルコ・ロゴスギャラリー並びに日月堂は、これまでも「ムラカミ家のモノに見る昭和史」、「印刷解体」展など、失われゆく風景のなかから、失われてはならないと思うモノ、今後も変わらぬ価値をもつと思われるモノを取り出し、販売を通じて一つでも次の世代へと手渡そうと考えてまいりました。無残であるからこそ、そこに残されたものに少しでも価値を見出し光をあてたい。今回の企画も、この同じ考えに基づいて企画・開催するものです。

< 背景 >

ここ数年、若い世代を中心に、「廃墟ブーム」がいわれてきました。「廃墟」を紹介したり、その探訪を綴ったブログが急増したりするとともに、一般書店には「廃墟」の写真集から歩き方といったガイドブックまでが並んでいます。こうした流れの中で、さらに派生的に生れてきた「工場」についても、今年3月にはタイトルもそのまま『工場萌え』(東京書籍)が発行されてさまざまなマスコミを通じて話題となりました。明るく安定した未来が予見できず、しかもさまざまなモノやコトの賞味期限がますます短くなっているように感じられるいま、朽ちていくものの美学に対する共感や、近未来の都市の姿を予見するかのような意識が働いているのかも知れません。

一方で、現代美術の世界を見ると、戦後、大量生産・大量消費によって生じた廃品の寄せ集めで造形された作品群が生れてきました。1950年代後半のルイーズ・ネヴェルソンの作品を先駆として、ジャン・ティンゲリーやクリストのアッサンブラージュ(=廃品を寄せ集めた作品)、ロバート・ラウシェンバーグやアントニ・タピエスによるジャンク・アート (=都市の廃棄物やいらなくなった日用品の絵画への投入)、セザールの屑鉄を溶接したり廃車を圧縮したりした作品などはその代表例といえるでしょう。

ジャンク・アートに対する美術評論家ローレンス・アロウェイの「廃品文化は都市の芸術である。その源泉は忘却であり、都市の廃棄物である。……見る人にとっては生活の一部であり、環境の一部であり、……都市環境を反映しているものである」という批評や、美術評論家・高見堅志郎のティンゲリーを評しての「20世紀文明に対するアイロニカルな「賛歌」を余儀なくされている。」という批評の言葉は、「廃墟フェチ」や「工場萌え」の背景をも説明しているかのようです。

また、エコロジーの観点からは、フィンランドの「セッコ」や トラックの幌からバッグをつくる「フライターグ」など、廃品をデザインによって生き返らせ販売する動きにも注目が集まるとともに、ひとつのブランドとして確立されつつあります。

国内では本年8月、社団法人日本機械学会によって、機械技術の発展史の上で重要な役割を果たした機械を選定し、次世代に伝えていこうとの趣旨により、「機械遺産」の制度が設けられました。

本企画は、こうした背景のもと、廃墟となった町工場にこれまでとは異なる視線を注ぐことで、廃品を、使える「道具」へ、あるいは美的な「素材」へと変え、社会の中に再投入するとともに、都市のあちこちで人知れず消えていく場所や空間に対し、ひとりでも多くの人に新たな視点で捉えてもらうための、ささやかな契機となればと考えるものです。
*引用はいずれも『現代芸術事典』(美術出版社 1993年初版)より

< 展示内容(予定) >

解体直前の町工場で撮影した、総数およそ300カットに上るデジタル写真の多くを会場に掲出します。
そこには、働く人が姿を消し、さまざまなものが何の脈絡もなく散乱する、廃墟のような光景が広がっていました。今はもうそれさえ実在しない風景の写真が、無残さか美学か、廃品か商品か、より身近な問題として考える上での契機となればと考えます。

< 販売商品 >

・工具(ペンチ、レンチ、金槌、糸鋸、スケール 他)

・機械部品 (ギア、歯車、スプリング、螺子、その他用途不明の部品類)

・その他(木箱、紙箱デッドストック、抽斗、棚 他)
*いずれもほとんどが一点もの

・関連古書・紙モノ
(機械のマニュアルやカタログ建築関係書籍・雑誌、工場・廃墟関係書籍、ジャンク・アート展覧会図録、戦前機械主義関係書籍・雑誌 等)

・関連新刊書籍(工場・廃墟関係写真集 他)


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