「マン盆栽」とは、ラテンミュージシャン パラダイス山元が提唱する、伝統や流儀にとらわれない自由な発想から生まれたまったく新しい盆栽です。身近な植物の鉢に小さなフィギュアを組み合わせ、ユーモア溢れるストーリーが展開される小宇宙とでも言えばいいのでしょうか。
そもそも由緒ある盆栽には全く興味のなかったパラダイス山元が、「マン盆栽」を始めたきっかけは、家の近所の排水溝の縁に生えていた苔だったとか。ビロードのような美しい光沢に魅せられて家に持ち帰り、たまたま手元にあった鉄道模型用のドイツ製フィギュアを上に置いてみたところ、“草原の中を行く旅行者一行”という光景が出来上がり、昔ながらの盆景にはない新鮮な感動を覚えたそうです。
流儀などまったくないのが「マン盆栽」ですが、お金をかけないのが原則だとか。剪定した欅の枝とか、自分が食べたリンゴの種から育てたものなど、手間と時間と愛情を存分にかけて育てるうちにストーリーを考え、フィギュアと組み合わせれば立派な「マン盆栽」に仕上がります。
本来マン盆栽のフィギュアは、北アフリカのある島の住民にしか造れないというドイツのプライザー社製のとても精緻な1/87モデルを彩色したり、または加工して使うことが、家元のこだわりでした。しかし、日本をはじめ広く海外にも大人から子供までファンが増え、またガチャカプセルやお菓子のオマケなど小さな玩具が大流行するや、これらのフィギュアをも取り込み、「ガチャマン盆栽」というより風刺やニュース性に富んだ新しい世界を創り上げ、さらにマン盆栽ワールドを広げています。
ガーデニングや伝統と格式を重んじる盆栽には興味の無い人はもとより、子供から大人まで世界中誰でも手軽に楽しめる、鉢の上のフィギュアと樹木が織り成す感動の小宇宙「マン盆栽」の世界を体験し、自分のために造って欲しい、というのがマン盆栽家元の願いなのです。 |
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