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LOGOS GALLERY
展示会内容 会場風景
「サラーム! イランの絵本とクラフト」展
Morteza Zahedi「ゆうべはよく眠れた?!」 2004年制作 22×17.5
「サラーム! イランの絵本とクラフト」展
会 場 LOGOS GALLERY ロゴスギャラリー 渋谷パルコ パート1 / B1
期 間 2007.02.01 (thu) - 2007.02.14 (wed) ※会期中無休
10:00am - 9:00pm ※最終日は5:00pmにて終了
入場料 無料
お問合せ 03-3496-1287(ロゴスギャラリー)
協力 : サラーム・サラーム / トライブ
■絵本『ごきぶりねえさんどこいくの?』朗読会
2007.02.03(土) 2:00pm〜
朗読者:まんたのりお、愛甲恵子 *日本語
展示会内容
Morteza Zahedi「きみにはたった一週間しか時間がないんだ...」
Morteza Zahedi「きみにはたった一週間しか時間がないんだ...」
2004年制作 11.3×5.3
モスクから流れてくる朝のコーラン。道を行く黒いチャドルをまとった瞳の美しい婦人。喧騒のバザールの中で広げた絨毯のかたわらでお茶を飲む濃いひげをたくわえた男たち。あるいは、危ない兵器と姿勢で世界を敵にまわしている国――。
・・・それらは、私たちの抱く、遠いイランという国のイメージかもしれません。
実は、そんなある種トラディッショナルなイメージとは違う、私たちの知らないイランがあります。2500年の歴史を持つイランの伝統文化は、詩・音楽・美術・工芸など、世界中にその文化を発信し続けてきました。ペルシャ遺跡や絨毯など、古来、イランの芸術性や文化レベルの高さは言を俟ちません。そして近年国際的に高い評価を受けている映画を例にとるまでもなく、現代のイランは若いクリエイティビティにあふれています。ホメイニ師のイスラム革命以後西洋文化を拒む政策の中で、多くの若者たちは世界に類を見ない独自のイラン文化を築きつつあります。
イランで自由に発想し作品を創るアーティストたち。今回、ロゴスギャラリーでは、彼らのユニークで魅力的な作品たちを通して、私たちの想像を超えた、イランの新しい魅力をご紹介します。

絵本の絵を制作するイラン人アーティストの絵と日本で制作をしているイラン人陶芸家の作品を中心に展示し、現代イランの若いクリエイティビティを紹介します。会場では原画や陶芸作品を展示販売するほか、絵に文字そのものが美しいペルシャ語で言葉がつづられたイランの絵本を販売いたします。また、イランの日常で使われる意匠的にも優れた雑貨や、オリジナル雑貨も販売いたします。
リズミカルであったり、時として非常に哲学的なイランの絵本

絵本とは、絵と言葉で物語を表現し伝えるものですが、文字という存在も、絵本にとって重要な要素です。絵の中に文字が配されることによってはじめて絵本の1ページは完成するからです。
イランの絵本は、当地の公用語であるペルシャ語で物語が語られます。ペルシャ文字はそれ自体がグラフィックとしての美しさを持っており、それらが絵に溶け込んでいるイランの絵本は、それだけで単純に見るものの目を楽しませてくれます。
また、詩や文学を尊ぶ文化から生まれる物語は、リズミカルであったり、時として非常に哲学的な内容を含んでいたりします。
そのような物語に、国際コンクールでたびたび入選する実力を持つイラストレーターや画家が絵をつけることによって、不思議な奥深さを持つ絵本となっているのです。
質の高いイランのイラストレーター
Marjan Vafaeian「牛」
Marjan Vafaeian「牛」
2005年制作 21.5×18
そんな質の高いイラン絵本界の若手イラストレーター、モルテザー・ザーヘディ(Morteza Zahedi)とマルジャーン・ヴァファーイヤーン(Marjan Vafaeian)の絵と絵本をご紹介します。
モルテザー・ザーヘディは28歳。若いながらもイランでは15冊以上の絵本の絵を手がけている人気イラストレーターです。また、新人絵本作家の登竜門と言われるボローニャ国際絵本原画展に3度入選するなど国際的にもその実力は認められており、2006年には代表作『ごきぶりねえさんどこいくの?』と『ごらん、ごらん、こうやって』がブルース・インターアクションズより邦訳出版されました。日本での認知度も高まりつつあります。特に動物や虫などを描く事が得意で、作品からは小さな存在たちへのユーモラスなまなざしを感じ取ることができます。
マルジャーン・ヴァファーイヤーンも同じ28歳。絵本の出版数は多くはないものの、近年、フランスのコンクールfigures futurや野間国際絵本原画コンクールへの入選を続けて果たし、急速に絵本のイラストレーターとしての実力をつけています。既存の概念にとらわれず自由に描かれる線によって構成される絵は、見るものの想像力を心地よく刺激し、これまでに行った日本での個展でもコアなファンを獲得してきました。

今回展示作品として、この2人が絵本の絵を制作する中で生まれてきた作品を中心に、一枚の絵として十分に楽しめるものばかりを選びました。モルテザーがつける詩的なタイトルも見逃せません。そのそれぞれから新しい物語を感じ取ることができるでしょう。いずれも日本初公開作品ばかりですのでどうぞご期待ください。
日本で制作するイラン人若手陶芸家

テイムア・サブーリは31歳。2004年東京芸術大学陶芸科の研究生となり、現在は東京芸大の陶芸科修士課程に在籍しています。彼は陶芸の魅力について、「ろくろの上で、陶芸家の手が陶器を作り込んでいる様子は、その作る過程が大きな価値を持っていることを伝えてくれます。それはまるで一種の魔法のようです」と語っています。彼の作品は、イラン特有の工芸品でも日本の伝統的な陶磁器でもない、独特で不思議な魅力を持っています。
テイムア・サブーリの作品 テイムア・サブーリの作品 テイムア・サブーリの作品
<展示販売 (予定)>
Marjan Vafaeian 無題
Marjan Vafaeian 無題 2002年制作 19×21.5
  • 絵(原画)
    モルテザー:20点 マルジャーン:10点
  • 陶芸
    テイムア・サブーリの作品
  • モルテザーとマルジャーンが絵を描いた絵本(ペルシャ語原書)  
    *A5サイズの日本語訳カード(全訳)つきは3種。その他に訳なしのものを何種か。
  • イランの日常で使われる雑貨
  • クラフト作品
  • オリジナルグッズ
    (Tシャツ、エコバッグ、ポストカードなど)
  • イランの絵本(詩の国イランの絵本シリーズ)
    ブルース インターアクションズ刊
販売物 販売物 販売物 販売物
 
<作家プロフィール>
モルテザー・ザーヘディ(Morteza Zahedi)
1978年 ラシュト(イラン北部)に生まれる。
2003年 大学卒業(絵画専攻)。
これまでのイラン国内での個展、グループ展は多数。
<主な受賞歴>
2002年 第5回テヘランイラストレーションビエンナーレ第2位、特別賞
2002年 第10回子ども知育協会主催本の祭典第1位
2002年 第1回イラン子ども向け刊行物の祭典第1位
2003年 ベオグラードイラストレーションビエンナーレ第2位、金のペン賞
<公募展>
2001-2003年 ブラチスラヴァ世界絵本原画展(スロヴァキア)
2003年 第40回ボローニャ国際絵本原画展(イタリア)
2003年 バレイロ国際展覧会(ポルトガル)
2004年 サルメデ国際展覧会(イタリア)
2005年 第42回ボローニャ国際絵本原画展(イタリア)
2006年 第43回ボローニャ国際絵本原画展(イタリア)
<日本での個展>
2005年 3月T-BOX(銀座)
2006年 3月T-BOX(銀座)
2006年 7月美篶堂(御茶ノ水)
2006年 8月calo bookshop & cafe(大阪)
2006年 11月 半杓亭(松本)
これまでに手掛けた絵本は15冊以上。代表的なものに以下がある。
『小さいアリ-とその仲間たち』(2001年)
『ごきぶりねえさんどこいくの?』(2002年)
『ごらん、ごらん、こうやって』(2003年)
『平和の父』(2004年)
モルテザー・ザーヘディ(Morteza Zahedi)
マルジャーン・ヴァファーイヤーン(Marjan Vafaeian)
1978年 テヘランに生まれる。
1996年 高校卒業(グラフィック専攻)。
2000年 テヘランドローイングビエンナーレへの応募作品がテヘラン現代美術館にて展示される。
2003年 ベオグラードイラストレーションビエンナーレへの応募作品が同カタログに掲載される。
2004年 銀座T-BOXにて日本での初の展覧会「マルジャーンの絵とイランの絵本展」開催。
2004年 figures futur 2004 (Paris) 入選
2005年 野間国際絵本原画コンクール 佳作入選
2005年 7月、10月にドバイ(UAE)にて個展。
2005年 10月、銀座T-BOXにて個展。
2005年 10‐11月、栃木県益子陶庫にて個展。
*イランでの個展、グループ展は多数。
マルジャーン・ヴァファーイヤーン(Marjan Vafaeian)
<過去に出版された作品>
・絵本 "dar baghcheh 'arus-o-damad ruyideh bud" 『花壇の中にお嫁さんとお婿さんが生えていた』 2003年 ゴルシャンラーズ出版
・小画集 "cheshm 17" 2004年 マーヘ・リーズ出版
・絵本 "daman qermezi"  『赤スカートちゃん』(共著) 2004年 シャバーヴィーズ出版
テイムア・サブーリ(Teimour Sabouri)
1975年 イラン、Neishabourに生まれる。
1997-2001年 Sistan& Balouchestan 大学美術学部工芸専攻陶芸分野卒業(B.F.A)、イランzahedan。
2004-2005年   東京芸術大学工芸専攻陶芸分野研究生、日本東京。
2005-2007年   東京芸術大学工芸専攻陶芸分野修士課程、日本東京。
<受賞歴>
1997年 Sistan&Balouchestan Prefecture Youth Visual Artsフェスティバル にて工芸部門の最優秀賞 (イラン、Zahedan)
1998年 Sistan&Balouchestan 大学美術学部展示会にて「glass-works」部門の受賞
1998年 Sistan&Balouchestan 大学美術学部展示会にて工芸専攻者として最初の受賞
2000年 第3回Khorasan Prefecture Youth Visual Artsフェスティバルにて本選進出(イラン、Mashhad)
テイムア・サブーリ(Teimour Sabouri)
<グループ展>
1998年 Sistan&Balouchestan 大学美術学部学生の書道展示会(イラン、Zahedan)
2000年 Sistan&Balouchestan 大学美術学部フェスティバル (イラン、Zahedan)
2001年 第7回 現代イランの陶芸作家ビエンナーレ(イラン、Mashhad)
2003年 国際観光・工芸展示会にて9点の作品展示 (イラン、Mashhad)
<個展>
1999年 陶芸、Soureh ギャラリー(イラン、Zahedan)
2001年 陶芸、Mirak ギャラリー(イラン、Mashhad)
<出版物>
2001年 イランのキューレーターであるEmdadian Yaghoubが書いた 『現代イランの焼き物と工芸、現代イランの作家作品選(Contempoary Iranian pottery&Ceramics、A Selection from contemporary Iranian ceramist Artworks)』(Tehran:Institute for Promotion of Visual Arts, 2001)に作品が紹介される。
<翻訳者プロフィール>
愛甲 恵子
東京外国語大学、大学院でペルシャ語を学ぶ。専門はペルシャ語で、イラン留学中にペルシャ語の絵本を読みあさりおもしろさを知る。現在はイランの絵本を紹介するため、美術家フジタユメとsalamx2というユニットを組んで、翻訳をするかたわら原画展などを開いている。
―野間国際絵本原画コンクール―
野間国際絵本原画コンクールは、優れた才能を持ちながらも作品発表の機会に恵まれないアジア(日本は除く)、太平洋、中南米、アフリカの各地域とアラブ諸国の新進イラストレーターやグラフィックデザイナー、画家を発掘し、作品発表の場を提供し、創作 活動を奨励することを目的として、1978年から隔年で財団法人ユネスコ・アジア文化センターが主催しているコンクール。
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