会 場: PARCO FACTORY パルコファクトリー
渋谷パルコ パート1 / 6F
期 間:

2009年11月26日(木)−2009年12月14日(月)

※会期中無休

10:00am - 9:00pm
※入場は閉場の30分前まで
※最終日は6:00pmにて終了

入場料: 一般500円 学生300円 小学生以下無料
お問合せ: 03-3477-5873(パルコファクトリー)
主催: パルコ
企画: Ken Miller
GALLERY TARGET
協力: RCKT/Rocket Company*
G/P Gallery、en one tokyo
展示協力: GALLERY SIDE 2
hiromiyoshii
SCAI THE BATHHOUSE
WAKO WORKS OF ART
バラハク

展示会内容

2009年、元「TOKION」編集長ケン・ミラーが、Rizzoli New Yorkより写真集『SHOOT:Photography of the Moment』を出版しました。
その出版記念イベントとして、9月17日にニューヨークNew Museumで開催されたエキジビジョンを皮切りに、ロンドンTate Modern(10月9日)、アムステルダムFOAM Museum(10月13日)など、世界各地を出版記念イベントが巡回中。 その一環として、東京では、パルコファクトリーを会場に、“パルコ開業40周年記念企画 第6弾”として『SHOOT:Photography of the Moment -カメラが捉えた一瞬が語ること-』を開催します。

本展では、90年代から現在、そして今後の活躍が期待される写真家26名による約200点もの作品をドキュメント形式におさめられた書籍『SHOOT:Photography of the Moment』の中からセレクトした作品と多数の未掲載作品を合わせた約60点の作品を展示します。
ケン・ミラーによるトークショーを含め、書籍とはひと味違う写真の世界を体感できる、またとない貴重な機会となります。

ケン・ミラーは今回の展覧会に寄せて、下記のように語っています。

特別な技術がなくても撮影可能な安価なカメラの普及によって、写真を撮ることが日常の一部となり、それにともないインターネットやメディアには写真があふれている。しかし、もともと写真はもっと特別なものだった。長い間、そして今も、ファインアートの一分野として確固たる地位を築いている。ならば、世の中にあふれている写真と、ファインアートとしての写真、その境界はどこにあるのだろう?

『SHOOT -Photography of the Moment-』は、「アートフォトグラフィーとは何であるか?」という問いから始まった。誰でも写真を撮ることができる。しかしそのほとんどは写真家ではない。では写真家とは?僕は、その場の出来事に対しシンプルにレンズを向けた写真、素直に気持ちを切り取った写真が好きだ。それらは、日常の瞬間をただ捉えただけのものに見えるかもしれないが、心に強い印象を残す、特別な力を持った写真だ。日常生活が反映された印象的な記録になっていたり、ある部分が増感、誇張、パロディ化されていたり、あるいはささいな事象の中にロマンスが見出されていたり……。いい写真家とは、誰でも使えるツールを使って、そういった表現を可能にする人たちだと思う。

本書に登場するフォトグラファーたちもみな、日常の瞬間を写真におさめる。今でこそ、こういったスタイルの写真もファインアートとして認められているが、つい最近までスナップ写真はあくまでスナップでしかなかった。
25年前、Stephen Shoreがそれまでの常識を覆すパーソナルドキュメンタリーを撮り、Nan Goldinが自身のライフスタイルをスナップした写真をまとめ、初めてファインアート、ファッションフォトグラフィーへと昇華させた。『SHOOT』は彼らから始まる今やポピュラーとなった。このスタイル、つまりありふれた日常をシンプルに切り取った作品の潮流を追いかけている。

『SHOOT -Photography of the Moment-』では、誰にでも撮れると感じる写真にときおり出合うかもしれない。
だが、それは写真家自身がキュレーターとなって、“その瞬間の感情をより深く語っている唯一のイメージ”として選んだ作品であり、そのキュレーションという行為こそが僕たちと写真をつなげ、そして写真を使ってその空気を切り取る方法を示しているのだと、僕は思っている。

Ken Miller, 2009

Ken Miller ケン・ミラー

2002 年から2007年までTOKIONの編集長を努める。
2007年にTOKIONを通じて10年間のアートトレンドをまとめた「Revisionaries; A Decade of Art in Tokion」を出版。
現在は編集・ライターとして「City magazine」、「V magazine」、「Uniqlo Paper」、「Interview magazine」などで活躍するかたわら、Phillips de Puryの2009年スプリング・オークションでコンテンポラリー・アート部門のアートコンサルタント、キュレーターとして数々のプロジェクトを進行中。

販売内容

「SHOOT:Photography of the Moment」 スペシャルエディション 限定20冊、展覧会ポスター、写真作品、参加作家の出版物

参加フォトグラファー

Stephen Shore スティーブン・ショアー (アメリカ) 1947年生まれ
6歳のころより写真を撮り始め、14歳のときにニューヨーク近代美術館のキュレーターに作品を購入される。17歳でアンディ・ウォーホルと出会い、ウォーホルとファクトリーを撮り始める。1971年、24歳にてニューヨークのメトロポリタン・ミュージアムにて初の個展を開催。以後、北米各地を旅行し消え行くアメリカの風景を撮影。彼の作品は各国の美術館やギャラリーにて公開されており、ナン・ゴールディンやヴォルフガング・ティルマンスなどに多大な影響を与えた。現在、彼はBardCollegeで写真学部長を務める。
Nan Goldin ナン・ゴールディン (アメリカ )1953年生まれ
1968年ボストンのSataya Community Collegeに入学し、写真を学ぶ。1973年に初の個展をボストンにて開催。80年代より自分を含め彼女の周りにいる麻薬常用者の友達の日常を自叙伝的に撮影しはじめ、その連作で高く評価される。以後、各国の美術館やギャラリーにて写真作品や映像作品を公開。1996年にニューヨークのウィットニー・ミュージアム、2002年にはパリのポンピドー・センターにて回顧展を開催。近年の活動に、2008年9月にDior表参道にてDior Hommeのデザイナー、クリス・ヴァン・アッシュと展覧会を開催。
Walter Pfeiffer ヴァルター・ファイファー (スイス)
70年代より友達や見知らぬ人々のポートレートを通して美、エロティシズム、精神の自由を表現し続けているフォトグラファー。彼の作品はテリー・リチャードソンなどに影響を強く及ぼし、現在ではカルト的人気を誇る。
Boris Mikhailov ボリス・ミハイロフ (ウクライナ) 1938年生まれ
工業技師として工場で働き、28歳から独学で写真を撮り始める。その後、彼の撮った妻のヌード写真がKGBに見つかり、工場をクビになる。30歳から本格的にヨーロッパのギャラリーを中心に作品を展開。彼の撮る旧ソ連邦時代の人々の生活をおさめた作品は、1991年旧ソ連邦崩壊後、世界中で絶大な評価を受ける。
Wolfgag Tillmans ヴォルフガング・ティルマンズ (ドイツ) 1968年生まれ
80年代後半〜90年代にかけ「FACE」や「i-D」などで作品を発表。1993年、ケルンでの個展以来、拠点をニューヨークとロンドンに移し、スナップ的ポートレート、風景、静物、抽象的イメージと幅広い作品を制作。2000年にはターナー賞を受賞。2003年にはロンドンのテート・ミュージアム、翌年に東京オペラシティ・アート・ギャラリー、2006年にシカゴ現代アート美術館、2008年にワコウ・ワークス・オブ・アートで個展を開催。
Juergen Teller ヨーガン・テラー (ドイツ) 1964年生まれ
90年代初頭から「FACE」、「i-D」、「W magazine」などで作品を発表。ファッションフォトらしからぬスタイルが好評をうけ、ヒューゴ・ボス、イヴ・サンローラン、ヴィヴィアン・ウエストウッドなどの広告ととるとともにケイト・モスを主役にしたショートフィルムなども制作。近年では毎シーズン、マークジェイコブス広告で話題を集めている。
Mark Borthwick マーク・ボズウィック (イギリス) 1966年生まれ
フォトグラファーとしては「Purple」、「i-D」などの雑誌、コムデギャルソン、マルタンマルジェラとのコラボレーション、ほか数々の広告を撮っている。近年ではマイク・ミルズと映画を制作。写真の上にテキストとドローイングをほどこす作品は世界中のギャラリーやミュージアムにて展開。日本では2007年、原美術館にて個展を開催。自分の個展では、詩の朗読や弾き語りなどのパフォーマンスを見せるなど多彩な活動で有名。
Ari Marcopoulos アリ・マルコポロス (オランダ) 1957年生まれ
ワールドクラスのスノーボーダー達や家族とその周辺をテーマにしたドキュメントで知られているフォトグラファー、そして映像作家。2006年にPS1とニューヨーク現代美術館にて個展を開催。その他にロンドンのThe Photographer`s Gallery、サンフランシスコのWattis Institute for Contemporary Art、チューリッヒのKunst Houseなどでも個展を展開。バートンの広告やシュプリームの壁画写真を手掛け、世界各地のストリート系とアート系両面から高い評価をうけている。
Hiromix ヒロミックス (日本) 1976年生まれ
1995年、18歳最年少でCANON写真新世紀賞を受賞。ガーリーフォトブームの火付け役として鮮烈にデビュー。その後世界各国のメディアから取材が殺到し、紹介された。20歳の時に発表された「Girls Blue」は増版を重ね、写真界では異例の記録的売り上げに達した。1999年に発表した作品集「HIROMIX」でKODAK PHOTO PRIZEを受賞、2001年には木村伊兵衛賞を受賞。代表作品集として「paris」「HIROMIX 01」など。今年2009年春には清澄のhiromiyoshii galleryにて「early spring, bright of your mind」を開催。秋にはhoneyee.com にてshort movie「なんて素晴らしい君 HOW SPLENDID YOU ARE」を発表。同作品は麻布のフランス大使館にて2010年1月31日まで上映中。
Glynnis McDaris グレネス・マクダリス (アメリカ) 1979年生まれ
2002年よりニューヨークを中心に個展を開催。「i-D」、「Elle」、「Self Service」、「Loyal」、「Vice」、「Nylon」、「Dazed&Confused」、「People」などの雑誌で活躍中。2004年にはネコ好きアーティスト達の作品を集めた「catholic」の編集を努める。これの出版を記念し、東京ではクラスカにて展覧会を開催。
Linus Bill ライナス・ビル (スイス )1982年生まれ
2006年にニーヴスより写真集を出版。2008年にはニューヨークのJournal Galleryにて個展を開催。作品はカメラを使わず、改造したポケットライトをフォトペーパーに移し撮った作品や身近な存在のポートレートを発表。
Jason Nocito ジェイソン・ノシート (アメリカ) 1974年生まれ
「Vice」、「Nylon」、「Dazed&Confused」、「The Fader」、「TOKION」などの雑誌にで活躍中。2008年にはtiny viceより写真集「Loads」を発表。
長島有里枝 ながしまゆりえ (日本) 1973年生まれ
家族や自分のセルフヌード写真で衝撃的なデビューをはたした90年代ガーリーフォトの代表作家の一人。1993年”urbanart#2”展でパルコ賞を受賞し注目を集める。1996年に渡米、2000年には木村伊兵衛写真賞を受賞。以後、国内外の展覧会をはじめ雑誌や広告など各メディアにて活動。
Tim Barber ティム・バーバ(カナダ)
「Vice」のフォト・エディターを経て、写真家、キュレーター、デザイナー、編集者と多彩な活動を展開中。「Vice」、「Rolling Stone Magazine」、「Nylon」、「Dazed&Confused」、「Journal」などの雑誌、Nike、UnitedBamboo、UrbanOutfitters、X-Girl、X-Largeなどの広告も撮る。
Peter Sutherland ピーター・サザーランド (アメリカ) 1976年生まれ
2004年に初の写真集「AUTOGRAPH」を発表。日本ではBABEGalleryにてこの展覧会を開催。2005年にはニーヴスから「COMING HOME」、2005年に「PEDAL」、2006年には「GAME」と「HISTORY OF EARTH」、2007年には「HOME AND AWAY」と「BUCK SHOTS」を、2008年「MUDDY TREADES」を発表。2007年にはWhite Room Gallery(東京)にて個展を開催。その他、リチャード・プリンスのドキュメンタリー・フィルムやVICETVで映像を撮り続けている。AdidasやNikeの広告も撮っており、彼の作品はアメリカはじめ、日本、ヨーロッパ、オーストラリアのギャラリーにて発表されている。
JH Engstrom JH・エングストローム (スウェーデン) 1969年生まれ
1991年、パリにてマリオ・テスティーノのアシスタント、1993年にはドキュメンタリー・フォトグラファー、アンダーズ・ピーターソンの元で働く。1997年に初の写真集「Shelter」を発表。その後、ニューヨークに移り彼の友達やフォトグラファー達のドキュメンタリー・フィルムの制作も始める。2004年に写真集「Trying to Dance」、2006年には「Haunts」、2008年には9.11以降の各空港のテロ対策をドキュメントしたCDGを発表。彼の作品はヨーロッパはじめ、アメリカのギャラリー、美術館にて展開中。
Dash Snow ダッシュ・スノウ (アメリカ) 1981年生まれ
13歳のころ家を飛び出しストリートに住み、写真を撮り始める。写真とともに彼のコラージュやインスタレーションはロンドンのRoyal Academy、ニューヨークのRivington Arms Gallery、Whitney Biennial 2006、Deitch Projectにて個展を開催。現代のアート・シーンにいる若者、ドラッグ、セックス、暴力を素直にドキュメントしている。また、彼の作品はAgnesやCharlesSaatchiなど著名コレクター達の間で人気。
Kenneth Cappello ケネス・カッペロ (アメリカ) 1973年生まれ
ファッション・フォトグラファーとして「i-D」、「Vanity Fair」、「Nylon」、「Dazed&Confused」、「GQ」、「eyescream」など数々の雑誌にて活躍。2008年にはTiny Viceから写真集「Acid Drop」を発表。またNike、Supreme、Stussy、Lagos、Lovelessなどの広告写真も手掛けている。日本で彼の作品は2004年森美術館で開催された展覧会“KITTYEX.”でも発表された。
Louise Enhorning ルイーズ・エンホールニング (スウェーデン) 1976年生まれ
「Another Magazine」、「Dazed&Confused」、「Glamour」、「Nylon」、「Teen Vogue」、「流行通信」などの雑誌にて活躍。2006年には写真集「Nylon Street」と「Insomnia」を発表。Birkenstock、MTV、Lee Jeansなどの広告も手掛ける。現在パリに拠点をおき活躍中。
Michael Schmelling マイケル・シュメリング (アメリカ)
「The Faders」、「New York Magazine」、「The New York Time Magazine」、「The London Sunday Telegraphs」、「Village Voice」、「Associated Press」、「Time Out New York」、「Harper'sBAZAAR」、「Spin」などの雑誌、MTVやOgilvy&Matherの広告や数々のCDジャケットを手掛ける。2002年に写真集「SHUT UP TRUTH」、2004年に「The Wilco Book」、2009年には「Outkast’sAquemini」と「The Plan」を発表。
Nacho Alegre ナチョ・アレグレ (スペイン)
「GQ」、「Arena」、「Glamour」などの雑誌、Vitra、Levi's、Urban Outfittersの広告なども手掛ける。手帳に写真を貼ったり、ブックそのままを写真に撮るなど独特のスタイルで知られている。現在はフォトグラファーとしての活動とともに、「Apartamento Magazine」のアートディレクターを務めている。
Ola Rindal オラ・リンダル (ノルウェイ) 1971年生まれ
「Purple」、「Vogue Paris」、「Dazed&Confused」、「Self Service」などの雑誌で活躍するかたわらシャネル、マルタンマルジェラの広告も撮っている。2007年に写真集「the beginning」を発表。彼の作品は数々のギャラリーにて個展を展開中。現在はパリで活躍しているフォトグラファー。
Paul Schiek ポール・シーク (アメリカ)
ミニマリスティックな作品を数々のギャラリーで発表しているフォトグラファー。また彼はTBW主催の写真集シリーズ「kinseries」の発行人。このシリーズは世代も国籍も違う4人の写真家;Mike Brodie、Ari Marcopoulos、Jim Goldbergがサイズ、ページ、造本の全く同じ作品集を3ヶ月に一回発行するもので、日本でも高い評価を得ている。
Madi Ju マディ・ジュ (中国) 1983年生まれ
「Rolling Stone Magazine」、「MTV Magazine」、「Vice」、「Marie Claire China」など幅広いジャンルの雑誌にて活躍中。中国とニューヨークを拠点に展覧会にて作品を発表。現在は北京在住。
Jaimie Warren ジェイミー・ウォーレン (アメリカ) 1980年生まれ
2008年にパフォーマンス・アーティストとして自身のポートレートをおさめた写真集「Don’t You Feel Better」を発表。「Paper Magazine」、「Vice」、「Knit-Knit Magazine」などで活躍。Thomas Jeppeトーマス・ジェップ(オーストラリア)2006年に写真集「Home Made Tattoos Rule」を発表。メルボーンのNowNow Galleryでキュレーターを努めながら「WON」の編集も務める。