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展示会内容 会場風景
展覧会内容
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< 技術者プロフィール >
■ 文選・植字ライブ
文選
吉澤志津子(永尾製版)
66歳。実家が指ヶ谷町(現新宿区小石川)で印刷業を営んでおり、小学校の終わり頃から家業を手伝う。読めない漢字も形で認識して文選していたという。子育てなどで一時活版から遠ざかったが、復帰。体が覚えている技術で、現在、改版、文選・植字から印刷機を動かすことまで任される、第一線の現役。
植字
近藤 秀雄(協栄製版印刷所)
69歳。昭和42年、協栄製版印刷所を設立。同印刷所は組版専門として戦後盛業、組版に従事して50年以上になる。現在もその技術は健在。
■ 活版印刷名刺フルオーダー受注会
活版名刺製作アドバイザー
塚田 正弘(佐々木活字店)
69歳。高校時代から家業であった活字店で、文選・植字の職人の手伝いを始め、以来、活版印刷の様々な仕事を佐々木活字店で手がけ、現在に至る。
< 佐々木活字店 >
佐々木活字店は、大正15年、現在の新宿榎町で創業し以来、現在まで89年の社歴を持つ。現在の社長佐々木精一氏は3代目。書体、大きさも 豊富に揃え、活字そのものを販売するほか、名刺、はがき、封筒などの製造販売も行なう。
活字の製造(鋳造)・卸業で創業、戦前、戦中はタイプライターの活字を全国に卸していた。活字の小売を開始したのは昭和22年から。当初は印刷業者を顧客として活字を納めていたが、印刷業者のあいだで文選が外注となったことなどから、文選(機械文選)受注を始めた。昭和60年頃からのこの20年は、組版から印刷(凸版印刷のみ)まで行なうようになった。
各活字種、各サイズを取り揃えるが、例えば8ポイント活字は、8千から1万種を揃えている。同社に在庫されている活字の全重量は70トンほどとも。
■ 地金彫刻(新刻種字)
清水 金之助 1922(大正11)年1月10日生
1936(昭和11)年、種字彫刻師、故馬場政吉氏に弟子入り、地金彫り修行に入る。
1936(昭和20)年、弟子5人と東京都大田区に地金彫刻工房を 創設。当時の主な受注先は岩田母型で、加えて関西方面からの受注もあり、多忙を極める。
1956(昭和31)年頃より彫刻母型の普及により、地金彫りは衰退の一途を辿る(ベントン彫刻機普及による電胎母型の衰退)。
1961(昭和36)年、岩田母型に入社、ベントン彫刻機による母型彫刻に従事。1971(昭和46)年、岩田母型を退社し、独立、母型彫刻事業に専念する。
1975(昭和50)年、活版組版の衰退(電算写植の普及とオフセット印刷の一般化)に伴い,母型彫刻事業を廃業。
2004(平成16)年、活字研究会の要望に応え、活字地金彫刻(種字製作)を昭和31年から約50年ぶりに再開。なお、同年10月、スミソニアン・アメリカ・ヒストリー・ミュージアム(U.S.A)に、彼の手による「鶴」と「龜」(「亀」の旧字)の種字が収蔵された。
地金彫り:直接法による電胎母型の作製に必要な金属製種字を活字の形状をした活字合金(特殊配合)の軸一端に逆文字を原寸で小刀を用いて直接彫刻する技法。
母型:活字の鋳造の際、活字面の凸出部分を鋳造する雌型。この雌型の面を鋳造機の鋳型の方形の空隙に接続して熔融した活字合金を流し込み活字を鋳造する。雌型の作製方法により電胎母型、パンチ母型、彫刻母型の三種類の母型が作製される。
電胎母型:電胎母型の作製には間接法と直接法があり、間接法は木製種字から蝋型を取り、蝋型に電導性を持たせ電鋳法で凸型を電鋳する。電鋳した凸型に電鋳法で凹型を電鋳(ガラ版)して、これを母型材(マテ)に嵌め込んで作製した母型。直接法は金属種字に直接,電鋳法で凹型を電鋳(ガラ版)して、これを母型材(マテ)に嵌め込んで作製した母型、電胎母型をガラ母型と称することもある。
パンチ母型:活字の形状をした鋼材の軸の一端に鏨を用いて逆文字を原寸で彫刻し、彫刻した軸を焼き入れして父型を作製する。この父型を真鍮の母型材(マテ)に打ち込み凹型を作り作製した母型。
彫刻母型:文字の原図から写真 製版法で亜鉛板を腐食して文字の凹型(パターン)を作り、母型彫刻機によってパターン上の文字を母型材に縮小して彫刻し作製した母型。
■ ADANA(アダナ)印刷機によるポストカード印刷実演
藤原 弥生(7 days cards)
日本大学芸術学部演劇科卒。
「毎日、手紙を書きたい・・・!」という想いから作ったのがポストカード作りの始まり。
7 days cards (セブンデイズカード)のブランド名で、1980年よりポストカードの、デザイン、シルクスクリーン印刷、作成、そして販売を開始し、今年で25周年を迎える。
オフセット印刷を経て、2003年より7days cardsの新シリーズとしてLetter press(レタープレス――活版印刷)シリーズを始める。その新しいシリーズを始めるにあたっては、デジタル技術にトライするか或いはアナログ技術にするか迷ったが、「技術者が、手を使って、さわりながら印刷する」という、手仕事的な技術に魅せられ、活版印刷を選択。
主な卸先に、伊東屋、ナディフ、スパイラル、有隣堂などがある。
ADANA印刷機
イギリスのアダナ社製造の手動式の活版印刷機。現在はイギリスでもほとんど生産されていない。
この印刷機が日本に初めて輸入されたのは1963 (昭和38) 年で、その後約800台が輸入されたという。
簡便さから少部数の印刷に適している。そのフォルムの美しさも特筆に値する。
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