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ビュロ・デストラクト 東京ストップオーバー

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プロフィール

ビュロ・デストラクト

スイスの小さな首都、ベルンを拠点に活動をしているビュロ・デストラクトは、もともと若手アーティスト育成を目指すアートエージェンシーでしたが、1994年、グラフィックデザイナー ロペツの参加後、グラフィックデザインチームとして活動を開始しました。
現在は、マーク、H1レイバー、ヒューウィッド、モリツ、そしてロペツの5人によって構成されています。地域に根付いたデザイン活動を行うかたわら、海外、特に日本のデザイナーとのコラボレーションも積極的に行っており、日本での認知度も高くなっています。スイスというお国柄か、どこかほのぼのとした、ピースフルな雰囲気を感じさせる作品を生みだし、今では世界中の若手デザイナーたちから注目される存在です。

ビュロ・デストラクトの主な活動は、企業ロゴデザイン、ロゴタイプ、広告デザイン、書籍、CDアルバムジャケット、ポスター、フライヤーといった紙媒体の作品が多いのですが、なかでも彼らがこれまでに手掛けてきた音楽関連のデザインワークは相当数にのぼります。スイスで行われたテクノ、エレクトロニック・ミュージックのイベントポスターとフライヤーだけでも、Audio Active、808 State、Autechre、Leftfield、Mouse On Mars、Plaid、Talvin Singhなど、100近いアーティストのものを手掛け、目を引くタイポグラフィーとその独特な色使いのビジュアルは、音楽ファンたちをも魅了し続けています。

1999年、そんな彼らのアートワークの集大性ともいえる、作品集『Buro Destruct』がベルリンのゲシュタルテン出版社から出版、その翌年80年代のテレビゲーム好きとして知られるロペツが中心となって、クラシックテレビゲームの持つ独特なデザインを紹介した『Electronic Plastic』が出版されました。これは、アート関連書籍の中でも格段の売れ行きで、今もなおベストセラータイトルとなっています。

ビュロ・デストラクトの中心的メンバーともいえるロペツは、大のテレビゲーム好きとして有名ですが、親日家としても知られています。何度か日本を訪れたことをきっかけに、2001年には日本のグラフィックデザイナー33組を紹介した『Narita Inspected』を出版。日本のデザイナーたちの作品紹介に加え、Q&Aインタビュー、スタジオ写真、彼らの自画像など普段見る機会のない、デザイナーの素顔を垣間見ることができます。また、ロペツが日本滞在中に撮りためた、お店の看板、レシート、包装シール、街頭ビラなどの写真コラージュは、逆に我々に日本の面白さを気付かせてもくれます。

書籍以外での活動も幅広く、2002年にはオリジナルフォントが購入できる、オンライン販売サイトも開始、待ちわびていたファンも多く、飛ぶように売れたそうです。
ビュロ・デストラクトが制作してきた数々のロゴデザインは地元ベルンでも高く評価され、小さな理容室の看板から、スケーター系のショップ看板、そして歩道横に貼られている数々のクラブイベントのポスターまで、あらゆるところに彼らの手掛けたロゴデザインを見かけることができます。そんな彼らが現在制作中なのが、2005年日本で開催される愛知万博のスイス・パビリオンのロゴデザインです。






(C)Buro Destruct

またデザイン活動だけでなく、チューリッヒに『Buro Discount』というショップをオープン、オリジナルグッズを販売するかたわら、他の若手アーティストの作品を展示するスペースとしても活用、本国スイスでは確実にリーダー的存在になりつつあります。

そしてこの夏、遂にビュロ・デストラクトの作品集、第二弾となる『Buro Destruct II』が出版され、それと同時に世界巡回展がスタートします。そのかわ切りとなるのが本展の『ビュロ・デストラクト 東京ストップオーバー』です。日本初の展覧会ということもあり、彼らの意気込みも大きく、特別大判サイズのポスターも含め約20点のポスター展示、書籍、オリジナルグッズなどの販売をいたします。中心メンバーのロペツとヒューウィッドが来日し、サイン会も行われる予定です。

「デザインは仕事じゃない。僕らの趣味なんだ」というロペツの言葉どおり、彼らの作品には“ちょっとした面白さ・遊び心”を常に感じることができます。難しいことは抜きに、肩の力を抜いて、そんな彼らのアートワークを純粋に楽しんでいただきたいと思います。

Die Gestalten Verlag(ゲッシュタルテン出版社)
Buro Destruct(ビュロ・デストラクト)

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