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大宮エリー 「思いを伝えるということ」展

――――造形と言葉のインスタレーション

映画監督、映像ディレクター、演出家、脚本家、コピーライター、作家、ラジオパーソナリティー など多岐にわたり、ボーダレス、肩書きレスに活動する大宮エリーが、このたび、初めてアーティストデビュー。インスタレーションに挑むことになりました。

常に動向が注目される彼女の自身初となる展覧会は、今年の2月に渋谷パルコでスタート、来場者数1万人を超えた企画となりました。

その話題はtwitter上でも大きな反響を呼び、展覧会に来訪できなかったファンからの「札幌でも開催してほしい!」という幾つもの要望に大宮エリーが強く反応。ついに、札幌パルコにて開催いたします!

会 場
札幌パルコ
期 間
2012/09/07 (金) -2012/09/24 (月) 
※10:00~20:00(土曜日のみ20:30)
※最終日は18:00閉場
※入場は閉場の30分前まで

入場料
一般300円・学生200円・小学生以下無料(<PARCOカード>会員半額)
主 催
パルコ
企画制作
パルコ・大宮エリー事務所
お問い合わせ
011-214-2111 
公式HP

気になる展覧会の内容をご紹介。

会場は、”思いを伝える”という行動から喚起される「心細さ」、「高揚感」、「切なさ」、「感動」、など8つの状態を、インタラクティブなインスタレーションと、それを包み込むような言葉によって構成され、訪れた人が再体験、再確認、できるようになっています。

たとえば、こんなインスタレーション。
題名「心細い平均台」

▲渋谷パルコ・パルコミューアム会場の様子 ▲渋谷パルコ・パルコミューアム会場の様子

人が感謝の思い、本当の気持ち、謝罪の気持ちなどなど、大切な、あるいはふとした思いを伝えるとき、その、伝えるという行為において、わき起こる不安、心もとなさ、怖さ、を、「心細い平均台」というインスタレーションで表現します。

展示された、心細い平均台は見るだけでも、心細く、伝えることの難しさ、そして反対に伝えられたときの喜び、奇跡を感じられるのですが、
実際に、来場者がその平均台を渡ったり、その様子を他の来場者が見ることで、より、その実感を楽しんでもらえたらという狙いが作者にはあります。

会場を包み込むような、たくさんの“言葉たち”も見所です。
題名「メッセージボトル」

▲渋谷パルコ・パルコミュージアム会場の様子 ▲渋谷パルコ・パルコミュージアム会場の様子

夜明け前
マジックブルーの海に
たくさんの
届かなかった思いが
打ち上げられるという
それは思いの墓場なのか
それは心の荒野なのか
その白い浜辺に
今日も誰かの
残念ながら届かなかった思いが
うちあげられるのです
色とりどりのメッセージボトル
ボトルに入れたりするから
届かなかったんだよ
しまい込んだりするから
波にゆだねたりするから
たゆたって迷子に
なってしまったんだよ 
(本文一部抜粋) 

大宮エリーのコメント

最近、雑誌でこういう依頼が重なりました。
「人に何かを伝えるということが怖かったり苦手意識に苦しんでいる人が多いので、
その方にコミュニケーションのしかたを教えてください」

驚きました。
こんなに今、コミュニケーションに悩んでるなんて。


私だって、伝えられなくて、もどかしくて、臆病で、嫌になって、そんな経験があるから思うんですが、
伝えないと、ゼロになっちゃうと思うのです。
言わないと、なかったことになっちゃう。
ありがとう、ってすごく思っていても、それを伝えようとすることから逃げると、
私のありがとうという気持ちが、存在しない事になっちゃう。
そう思うと、そちらのほうが恐ろしくて、だから、勇気をだして伝えるのです。
たとえ、伝わらなくても。伝えようという努力をするというか。
だから、上手く伝えようとしない、ってことだと思うのです。
ありがとうをうまく伝えるにはどうしたら、と考えるから自信がなくなるわけで、
シンプルに、ありがとうをたくさん言う方が伝わるんじゃないかな、と思うんです。

ありがとうを、10回。
それでいい。


そういうことを、展覧会で表現できないかなと思いました。

思いを伝えるということが、どういうことなのか、
そのイメージ、感覚を味わってもらい、楽しんでもらい、今一度体験してもらう。
思いを伝えるということがどんなに心細く、時として勇気がいることであっても、
そのことの高揚感、伝わったときの達成感、伝えようとする行為の生き生きとした躍動感、
感動、伝わったときの言いようの無い切なく、奇跡的な感じを思い出してもらえれば、
きっと、この展覧会をあとにしたとき、そのひとは大切なひとに電話したくなったり、ご無沙汰してしまっているひとにお手紙を書きたくなる。

そんなふうに、なったらいいなと、思っています。

大宮エリー Ellie Omiya

大宮エリー

作家//脚本家/映画監督/演出家/CMディレクター/CMプランナー

1975年大阪生まれ。広告代理店勤務を経て、2006年に独立。
映画「海でのはなし。」で映画監督デビュー。主な著書に、『生きるコント』『生きるコント2』(文春文庫)、絵本「グミとさちこさん」(講談社 絵/荒井良二)など。現在、サンデー毎日「なんとか生きてますッ」他多数エッセイ連載中。
2008年舞台「GOD DOCTOR」(新国立劇場)
2009年舞台「SINGER 5」(紀伊国屋ホール)
テレビドラマ「木下部長とボク」(総合演出・脚本)・「デカ黒川鈴木」(脚本)・「ROOM OF KING」(総合演出・脚本)・「三毛猫ホームズの推理」(脚本)・「the波乗りレストラン」(総合演出・脚本)・「おじいさん先生」(総合演出)、脚本参加「サラリーマンNEO」、ディレクターを務めたPV「群青」(スピッツ)・「男女6人夏物語」(ケツメイシ)・「ADDRESS」(山崎まさよし)・「オアシス」(ハナレグミ)他。

現在、ユーストリームの生配信番組「スナックエリー」(ほぼ毎週水曜22:00~)ではママ(MC)として多彩なゲストを迎え、全国の視聴者と乾杯している。
「スナックエリー」 http://www.ustream.tv/channel/snack-ellie

※舞台を含め作品は全てDVDとして販売されております。




撮影:KENTA AMINAKA

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