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小鹿総一 写真展「瞬 花」Flowers in neutral moment

展示会概要プロフィール

小鹿総一 写真展「瞬 花」Flowers in neutral moment

小鹿総一 写真展「瞬 花」Flowers in neutral moment


会  場 LOGOS GALLERY ロゴスギャラリー 渋谷パルコ パート1/B1
期  間 2004.03.03 (wed) − 03.16 (tue)(会期中無休)
10:00am - 9:00pm(但し、最終日は5:00pmにて終了)
お問合せ 03-3496-1287(ロゴスギャラリー)
入場料 無料

協力:ブリッツ・インターナショナル


“Neutral moment(中庸なる瞬間)”とは、春夏秋冬のはざまに存在する、季節が移り変わろうとする瞬間を意味します。小鹿が選んだテーマは、その時期のみに存在する花の本当に美しさです。今までに数多くのアーティストが、花の持つフォルムの美しさ、エロチシズム、生命の躍動感、はかなさ、色彩などに魅せられてテーマとしてきました。しかし、ニュートラルな季節に咲くニュートラルな姿を持った花こそが一番美しいと考える小鹿は、花自体と、それを取巻く空気感を冷徹にまで客観的に表現しています。移ろいゆく時の中で、花は様々な表情を見せます。小鹿は花とそれを取巻く空気感をできる限り的確に表現することで、花の“真なる美しい姿”の一瞬を明らかにしようとしているのです。




絵画のボタニカルアートや日本画の世界を思い起こさせる、独自の美しさ持つ本シリーズはポラロイドのイメージトランスファーという技法で制作されています。個別作品はポラロイド写真を転写して制作するので絵画同様に1点ものです。イメージトランスファーの持つ色などの特徴があってこそ、本シリーズの表現が可能になったと小鹿は語っています。これに加え、最近開発に成功した、トランス・メタル・プリントも今回初展示いたします。本作品はイメージトランスファーで制作したオリジナル作品に、最新のデジタル処理と熱圧着転写技術を使用して銅版に転写した全く新しい写真表現です。


ポラロイド・イメージトランスファーについて

この技法は、ポラロイドフィルムを露光後、暗室内で現像途中に剥離し、フィルムを和紙や水彩紙などに圧着して画像を転写させプリントを得る技法です。通常の写真とは異なり、ネガやポジが存在しないため、複製を作ることが出来ません。また、処理中の気温、処理液の温度、現像時間、薬剤による化学変化、圧着時の方法などの複合要素によるさまざまな変化を利用するため、同じ被写体を撮影し同じ処理をしても全く異なる表現を持った作品となります。従って、作品は絵画同様1点ものとなります。その偶発性を含めた表現は、他には無く、写真の新しい表現方法の一つとして大きな可能性と魅力を持ち合わせており、 今後も作品制作の主たるテクニックとして使用して行きたいと思っています。
(小鹿総一 文より抜粋)

トランス・メタル・プリントについて

金属の表面を硫化もしくは酸化させると得られる表情は、様々な変化に富んでいる。特に銅板を使用した時に現れる独特な色やムラには、その1つ1つが個性的で力に富んだ美しさがあります。トランス・メタル・プリントは、この美しさを写真表現に直接取り入れるための方策を探究、模索する中で生まれたものです。様々な処理を施した多数の銅板より一枚を個別の表現に適する支持体として選出し、イメージトランスファーで制作したオリジナルプリントを原版に、最新のデジタル処理と熱圧着転写技術を使用して、その銅板に直接、画像を転写しプリントを得る、他には類を見ないプリント技法です。
(小鹿総一)


(C)Soichi Oshika / Blitz Int'l

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